18.韓国よりの参加者感想


 日韓青年友和の会のお招きで訪日されている韓国の無教会の方々11名がご参加くださった。参加されたご感想を頂いたので掲載させて頂く。

1.韓 萬荷(ハン・マナ) 「信仰の交流」
 いままでコロナのため、日韓無教会の交流会を中止したが、4年ぶりに韓国の無教会の成人11人が日本無教会の全国集会を中心とした4泊5日の日程で日本東京を訪問することになった。
 今回の交流会は新しい今井館の見学が重要な日程の一つだった。今井館は日本無教会集会の象徴的な場所でもあり、移転新築のための発起人として韓国からも私を含めて数人の韓国無教会人が参加し、また建築のために多くの方が献金に参加、今井館の新築が順調に完成することを休まず祈祷で応援したので、どんな建物なのか早く見たかった。
 日本無教会全国集会は韓国無教会全国集会と非常に似ており、進行方法や発表者の形式も韓国と同じだったあので親しみを感じた。ただ、違う点は日本では発表者がもう少し多様だという印象を受けた。例えば、自然農業をしている発表者が実際に体験した日本自然農業の現実問題、すなわち生産、販売等の現状を詳細に発表することにより、日本の自然農業の現実を生々しく聞かせてくれた。私は内村先生の札幌農学校の生活を少しは想像できる機会になったようで良かった。韓国無教会全国集会でも聖書研究者だけでなくクリスチャンの中で多様な分野の専門家の話を聞く企画があれば良いと考えた。

2. 金 哲雄(キム・チョルン) 「特別な経験」
 私は日本の無教会の招待で何度も日本を訪問しました。その中で今回の来日は私にとって特別な意味がありました。それは日本の無教会全国集会で思いもよらなかった聖書講義をしたものでした。原稿は古川京子先生が見事に翻訳してくれたので下手な日本語で手探りで読むことができました。ところで発表した後、私が期待していたよりも多くの称賛と激励の言葉をいただき、安心しました。古川京子先生に感謝します。
 全国集会でいろいろな先生のお話をよく聞きました。私は「営農型発電」という言葉を近藤恵さんの講演で初めて聞きました。代替エネルギー事業の実現に努めている方々を応援します。韓国でもこのような運動が活発に起きてほしいです。
 集会員の皆様の温かい歓迎によって、私たちが信頼の中で一つの兄弟であることを実感しました。

3. 李 桓宗(イ・ファンジョン) 「公的な暮らしのために」
 おはようございます。
 今回の日韓無教会交流会を歓迎し、完璧に準備して苦労してくださった両国の運営委員たちに心より感謝を申し上げます。おかげで、私は信仰に多くの変化を経験しました。そして無教会の信仰者である日本人と韓国人は一家族という親密感を持つようになりました。
 私は今までプライベートな生活を送ってきました。自分だけのために生きてきました。しかし、イエスキリストと弟子たちは公的な生活を送りました。主イエスは私たちに公的な生活を送るようにと言いました。イエス様がくださった戒命は、「神様を愛(敬い)し、あなたの隣人をあなたの体のように愛せよ」です。この二つの戒めは完全に公的な生活です。この戒命を徹底的に実践すれば、どんなことでも神様は叶えてくださると思います。
 「福音に生きる」という主題どおり、イエス様とその弟子たちのように公的な人生を勇気を持って生きようとする決心を今回の日本訪問を通じてすることになり、ほんとうにありがとうございました。

4. 李 殷謙(イ・ウンギョム) 「日本無教会の全国集会参加」
 日本に世界的な神学者の内村鑑三がいるので、金教臣や韓国無教会もある。彼を記念する今井館が4階にそびえ立っていて神様に感謝で胸がどきどきしました。内村先生と内村先生が福音を宣布した場所で、韓日無教会の集会員100人余りが一緒に親交と聖書の言葉を交わした。ずいぶん前に韓国の全国集会に日本の敎友たちが参加したことがあるが、私が今は日本の敎友たちに会いに来たと思うと胸がいっぱいになった。
 事実、無教会か有教会か名前は重要ではない。「福音に生きる」という主題の通り、キリストの福音に従って生きる人が2、3人集まれば、そこが教会だから。韓国と日本の敎友たちが一つの信仰で会って席を共にしたことにとても感激して黙示錄の新天新地を見るようだった。すべての栄光を主に捧げる。

5. 金 星燦(キム・ソンチャン) 「真の信仰の道」
 11月3日、私は日本無教会の全国集会に出席するため、日本行きの飛行機に乗った。 小学校の時、父親に従ってユ·ヒセ先生の集会に参加しました。それが契機になって、無教会と初めて縁を結び、9月に父親金英雄、叔父金哲雄と共に無教会信仰を代々守っていこうと、ソウル蚕室で小さな集会を始めた。まだ聖書研究には初心者の私としては今回の日本全国集会参加がこれから私の信仰生活の転機になる良い機会だと思った。
 日本無教会全国集会は朝9時30分から始まった。韓国聖書信友会が準備してくださった韓国語翻訳文があり、発表者たちの講議を理解することができた。
 今井館事務局長の荒井克浩先生は「私は福音を恥としない、すべての人に向かう神様の無条件の愛と受容」という講演で、真の信仰とは私たちの中で神様の仕事によって信仰を起こし、これによって私たちの中で信仰がなされるとおっしゃった。
 「真の信仰を探す人々」という名前で集会を始め「信仰の呼び水」という雑誌を発刊する私に真の信仰を追求することがどんなものかをもう一度振り返らせる講演だった。
 その後、鷲見誠一教授が講義した内村鑑三先生の近代批判と韓国無教会参加者代表金哲雄先生の講演を最後に話が終わった。
 続いて組を分け、討論会を開いたが、ZOOMからも多くの方が参加していただいた。各組別に通訳があり、お互いの意見を交わした。今年は1998年10月8日、韓日共同宣言25周年になる年、私たちの会が両国間の信仰交流に役立つように頑張りたいと話した。
 特に行事の最後の仕上げとして「また会う日まで」という賛美歌を韓国語と日本語で歌った。両国の無教会人が互いに信仰的同質感を感じながら感動的に行事を終えた。

6. 李 禮周(イ・イェジュ) 「意外な経験」
 韓国聖書信友会会員として日本の無教会全国集会に参加し、日程によって一寸のズレもなく私たちを案内してくださった山本先生の後をとても軽くついて行くことができて嬉しかったです。
 私は全国集会の会場である今井館で思いがけない経験をしました。一つ目は資料室で着物を着た少女の大きな写真を見たときでした。ルーツ!その瞬間、花のような姿のルーツを懐かしがって内村先生が書いた詩、「私たちは4人だ」という詩が浮かびました。37年前、ユ·ヒセ先生が私の家族に聞かせてくれた詩でした。私もやはり18才の次女を亡くした時でしたから、ほんとうに慰められました。
 また図書館で夫(崔炳仁)が2002年創刊し、生涯最後まで発刊した信仰雑誌「聖書の言葉」を見ました。思いがけない出会いに喜びと驚きを禁じ得ませんでした。一冊を胸に抱いて笑顔で写真を撮り、娘と息子に送りました。その瞬間、私たち家族は一つになりました。
 全国集会が予定通り終わり、私たちは声を一つにして歌いました。「また会う日まで」を1番は韓国語で、2番は日本語で、3番はそれぞれの言語で一緒に歌う時、私は涙を流しました。 本当にありがとうございました。

7. 秦 暎善(ジン・ヨンソン) 「今井館の礼拝参加の感想」
 日本全国無教会集会への礼拝を素敵な聖書講堂で行って感謝した。静かで美しい場所に必要施設を見事に備えた礼拝堂があって感動し、羨ましかった。ところが、考えてみると、それなら無教会ではないかと心の中でじっと笑いも出てきた。
 韓国無教会も十数年前にはそのような場所ができる機会があったが、失敗に終わって残念だ。しかし、キリスト信者が礼拝堂の建物に執着することは神様の目に恥ずかしいことだと教えをくださったことだと思って慰められた。私たちの主イエスは山と野原で話され、礼拝堂を持っていなかったからだ。
 日本の多くの先生と真剣な礼拝を一緒にしながら過ごした5日間の日本滞在が本当に楽しかった。「若い時に度々行ってきたらよかったのに」と後悔もした。今後、韓日友和会の活動がより活発になり、若者たちはもちろん、成人にも交流が続き、全世界に純粋な無教会運動が広がっていくことを心から祈る。

8. 朴 英子(パク・ヨンジャ) 「内村先生の聖書講堂」
 私は実は全国集会の日程表を見て心配した。
 「私が果たしてこの長い時間、しっかり耐えられるだろうか?」
 日本の先生たちの話を韓国語に翻訳された要約本をあらかじめ受けて読んだ。しかし、直接おっしゃる通り、同時通訳画面が出れば本当に良いという過分な考えを少しした。会場で参加する方々やオンラインで参加する方々の皆に同じ聴講料を受け取って人数を制限するなんて、本当に度胸のある集会だと思った。
 休み時間に新しい今井館の聖書講堂をあちこち見て回った。講堂がいっぱいになるまで先生たちがいらっしゃったんだと思うと心が暖かくなった。内村先生が弟子たちをよく育て、こんなに良い方々が日本でキリスト教を繰り広げているんだなと思うと感動が押し寄せてきた。

9. 李 載子(イ・ジェジャ) 「内村先生との出会い」
 私は韓国洪城のプルム集会婦人班読書会の会員だ。この40年間、弱い読書会だけど続けてきた。私たちは幸せにも内村全集(20巻)を2回も勉強した。イスラエル人たちが重大事を決めたり、荒野で悔い改めながら神の応答を待つ時のような、切実な心情で本を読んで来た。私たちの会員5人は夜明けや夜遅い時にもかかわらず本を読みながら人生の慰めを得た。そのため、内村先生の今井館にぜひ行って見たかった。その夢を叶えて本当に感謝した。
 今度の日本無教会全国集会では、荒井克浩さんの言葉に多くのことを考えた。
「私は福音を恥じとしない。」
 福音は自分の努力や知識では到底理解できないこと。イエスが十字架についた時、天軍天使を呼んで能力を発揮していたら、むしろ福音が爆発したのではないかと思ったことがあった。しかし、その凄惨な状況を免除してくれなかった神様。
荒井先生のおっしゃる通り、十字架にかかったままのイエス、また罪人である私の姿そのままを無条件に受け入れてくれる神様。そのような状態で、むしろ神様の話せる愛に出会うという講義にアーメンせざるを得なかった。その無限の愛が世界平和を作り、他人を愛することができる。

10. 金 仁鎬(キム・イノ) 「福音に生きる」
 私は日本無教会の全国集会に初めて参加した。日本の先生たちは私たちを暖かい笑顔と挨拶で迎えてくれた。今年の全国集会のテーマは「福音に生きる」。そこで神様のことを聞きながら私たちは一つの兄弟だとのことをもう一度思った。集会のテーマのように、私たちは福音に生きていかなければならない義務があると思う。そのため、敵も愛して、戦争が終息するような日が来ることを祈るのが、両国無教会の集会会員たちの義務と責務ではないだろうか。
 特に荒井先生のお言葉が印象深かった。神様は私たちが出世しなくても、輝かなくても良いし、私たちの弱い姿そのままが良いと言ってくださったからだ。私が期待した通り、先生たちの立派な言葉に感動を受けた。この福音に生きる無教会信仰を韓国に帰った後も継続することを祈った。神様の御言葉と聖旨が私たちを変え、新しく生まれるように助けてくれることを祈った。

11. 金 福禮(キム・ボンネ) 「天国の宴のような一日」
 11月4日朝、私たちはわくわくする気持ちで端正に着こなし、全国集会が開かれる今井館に向かった。(なのにそんなに蒸し暑いとは!)内村先生と矢内原先生が見守る聖書講堂で、坂内宗男先生の開会で全国集会が始まった。オンライン参加者を含めて100人近くの人数だった。
 最初のお話は荒井克浩先生。神様は私たち人間をありのまま、無条件の愛で受け入れるという言葉だった。イエス·キリストの真実のために罪人を義とする父神様。これこそまさに福音の核心ではないかと思った。
 次は鷲見誠一先生の「内村鑑三の近代批判」。内村先生が当時の権威的社会を批判した内容を伝えてくださった。最後にこの先生が意味深い話をしてびっくりした。
 「日本の敗戦は確かに神様が日本人に下した罰だった。しかし、それで罪を許されたと思ってはいけない。私たちは罪を自覚し、アジアの全ての国と謙虚に交流していかなければならない。」韓国人の前で敗戦が「神の罰」であると述べる勇気に大きな衝撃を受けた。
 3つ目は若い友達の順番だった。まず福島原発の近くで有機農業を始めたとの大内督さんの話。福島といえば最近汚染水の放流で煩かった地域ではないか。そこで有機農業をするなんて、どう受け止めればいいのか。でも大内さんの情熱が実を結び、土地も生かし、清浄農産物の生産もすることをせつに祈った。
 また79年生まれという近藤恵さんの太陽光事業は興味深かった。韓国も太陽熱発電の必要性に共感しており、我が家の屋根にも設置されている。ところが垂直パネル方式ははじめてなので、その驚くべきアイデアに拍手をした。これからも発展することを願っている。
 最後に、韓国の金哲雄先生の創世記講義があった後、分科会をしたが、私たちはオンライン会員と共にした。オンラインなのに一人一人の話を傾聴する姿が本当に真剣だった。画面で彼らが座っている室内の姿が見えて、なぜか家族の集まりのような親近感もあり、じっと微笑んだりもした。天国で行われた宴会のような一日だった。





韓 萬荷(ハン・マナ)氏






金 哲雄(キム・チョルン)氏 左 
金 星燦(キ厶・ソンチャン)氏 中
金 福禮(キム・ボンネ)氏 右  



李 禮周(イ・イェジュ)氏 左
金 福禮(キム・ボンネ)氏 右


金 仁鎬(キム・イノ)氏 左       朴 英子(パク・ヨンジャ)氏 左
金 福禮(キム・ボンネ)氏 中      秦 暎善(ジン・ヨンソン)氏 中
李 載子(イ・ジェジャ)氏 右      金 福禮(キム・ボンネ)氏 右